パピ「はわわ～、受付嬢をクビになってしまったのです・・・。」【メゼポルタ開拓記サービス終了】

赤いネコ頭巾をまとう彼女の名はパピ。
幼くしてメゼポルタの地に派遣されたガイド娘見習いである。

ガイド娘とは言え見習い、やはり子供でありうっかり失敗してしまうという一面もあったが

「はわわ～＞＜」
「チョベリバなのです～。」

と言う可愛らしい言動や仕草を見たハンターは
怒ることもなく笑って許してしまうようだ。

幼いからこそ許されていたそんな彼女だが
大きくなるに連れてそのようなミスも無くなると思いきや
天然なところもあり、うっかりした失敗は絶えなかった。

月日は流れパピもいつの間にか16歳。
まだ幼さは残るものの大人の女性へと成長を遂げつつあった。

そしてついにこの日、パピにギルドの証が胸に刻まれた新たな衣装が贈られた。

彼女の希望もあってカラーリングは今までと変わらず赤をベースにした衣装に仕上がっており
彼女もとても気に入り跳び跳ねて喜びの感情を表現した。

感情が高ぶった時に跳び跳ねるのは幼い頃からの癖のようだ。

しかしこれで彼女もギルド公認の一人前の受付嬢。
これまでのような失敗は許されない立場となった。

パピも今までのような失敗はしないように細心の注意を払って仕事をこなしていたが
残念ながらあまり成果は得られず失敗は続いてしまった。

見た目は大きくなっても中身の変化はあまり見られず
話す時の口調も相変わらずだった。

「はわわ～、また失敗してしまったのです～＞＜」

うっかりミスが続いた彼女だが
今日のミスはココ最近の中でも特に酷く、
リオレウス討伐クエストの注文を受けたのに対し
誤ってリオレイアの討伐クエストを出してしまったのだった。

間違いに気づかずにハンターはクエストへ出発してしまい
彼女が気づいた時にはもう手遅れだった。

さすがに今回のミスは謝っても許されるものではなく
これまでの失敗も合わせていよいよパピは受付嬢をクビになってしまった。

メゼポルタから離れ、行く当てもなく途方に暮れるパピだったが
しばらく歩いていると遠くから賑やかな音楽が聴こえてきた。

吸い寄せられるようにその方角へと進んでいくと、とある村に辿り着いた。
その村の民は皆楽器を手に持ち楽し気に演奏している。

なんだかウキウキしてくる音楽を聴いて居ても立ってもいられず
彼女も一緒に演奏をしてみたくなり村人に声をかけてみた。
すると村人は

「それなら村長に会いに行くと良い」

と言い村長が居る方を指差した。
村長のところへ行けば楽器の演奏の仕方を教えてもらえると思っていたパピだが
彼女をひと目見て村長はこう言った。

「キミにはこの笛が良く似合う
　ちょっと試しに持ってみなさい。」

そう言われて渡された笛は彼女の背丈ほどある大きな笛で
別名ハンティングホルンと呼ばれるものだった。

見た目からして重くて持つことすら難しそうだったが彼女はそれを軽々と持ち上げた。
初めて持ったはずなのにとても良く手に馴染む。
村長はパピの才能を見出し、自分の知り得る全ての知識を彼女に注ぎ込んだ。

呼吸を整え　拝み　祈り　構えて　吹く
一連の動作を1回こなすのに当初は5～6秒
言われた通りに旋律を鳴らすだけで初日は18時間以上を費やした

演奏を終えれば倒れる様に寝る
起きてはまた吹くを繰り返す日々

数年間の修行を終えた頃　異変に気付く
全ての旋律を鳴らしても　日が暮れていない
若くしてその才能は　完全に羽化する

狩猟笛の秘伝技を極めた者のみが使いこなせるという【奏帝】が常に発動している。
村長がこの事実に気づくまでに時間はかからなかった。

「これでもう教えられることは何も無い」

そう村長がパピに告げると彼女は
このチカラで自分が幼き頃にお世話になっていたメゼポルタに恩返しがしたいと提案した。

その頃ちょうどメゼポルタでは各武器種毎に腕の立つハンターを募っており
パピも狩猟笛のハンターとして応募してみるのはどうだろうと村長も提案する。

そこで彼女は初めてかつてメゼポルタで失敗を繰り返してしまったことを打ち明けた。
パピという名前を出すだけでも彼女の評判が下がってしまう。

村長は少し考え、彼女の演奏のスタイルが
状況を見て必要なものを鳴らすわけではなく一連の動作として鳴らせる旋律を全て鳴らしてしまう様、
その様子から音楽で使われる言語をモチーフにして